【8月15日 CNS】中国消費者協会によると、今年上半期に全国の消費者団体が受理した苦情のうち、医療機器に関する苦情が前年同期の40倍にあたる1万8783件に達した。マスクなど衛生・清潔用品の苦情も2.5倍近い6988件あった。新型コロナウイルスの拡大で医療機器やマスクの需要が高まったことを悪用し、価格つり上げ、誇大広告、粗悪品の販売などが行われていたことを反映している。
分野別では、食品に対する苦情がトップの3万1230件で、前年同期より3.4倍に増えた。2位が医療機器で、前年同期はわずか464件だったのが1万8783件に激増した。3〜5位は自動車および関連部品、衣料品、通信機器類で、この3つは前年同期も上位に入っていた。衛生・清潔用品は前年同期の2825件から7837件に増えて第10位となり、初めてトップ10に入った。
医療機器や衛生・清潔用品に対する苦情はいくつかの傾向に分かれる。1つ目は悪徳企業による価格の引き上げで、同じ時に仕入れた商品について短期間で値上げを繰り返したケースもあった。2つ目は、誇大広告・虚偽広告で、一般のマスクを医療用マスクと偽って販売するケースが目立った。3つ目は、質がふぞろいな粗悪品や入手先が不明な商品の販売。4つ目は、配達トラブル。新型コロナの影響で配達態勢が回復していないのに注文を受けつけ、配達に時間がかかったり、注文だけ受けて配達をしなかったり事例もあった。
特に、ネットショップでマスクの注文を受けた業者が「出荷する方法がない」と主張して商品を送らないトラブルが各地で発生。北京市消費者協会は各地の消費者協会と連携してこうした業者を指導し、キャンセルの手続きを取るか、責任を持って商品を発送させるなどの措置を取ってトラブルを解決した。(c)CNS/JCM/AFPBB News