私は、世界の偉人には、その母親ないし育ての親が背後にいる、と思っています。
ですから、子育ての母親をキャリアウーマン以上に尊敬していますし、男は偉い、と思いながらも、結局は、女性には勝てない自分がいることに気づかされます。
ですから、表には出てこないたくさんの賢母がいることはわかっていますが、その中でも、今、一番関心があって、話を聞いてみたいのが、この佐藤ママと、あと芦田愛菜ちゃんのお母さんです。
毎回、佐藤ママの記事には、気づかされます。
自ら机に向かう子供に育てるにはどうしたらいいのか。プレジデントFamily
編集部が現役の東京大学の学生、大学院生235人の小中学生時代をアンケート調
査。その結果を、子供4人を東大医学部に入れたカリスマママ・佐藤亮子さんが
解説する――。【この記事の画像を見る】
■東大生が教える勉強に集中する方法その1「目標は数値化、具体化! 」
Q:小中学生時代に目標設定のためにしていたことを教えてください。
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その日にやるべき勉強内容を書き出していた 56.6%
親と将来の目標について話をした 23.4%
勉強について自分で自分にご褒美を与えていた 23.0%
———-なりたい夢がある、行きたい学校がある、など目標がはっきりしていることは、自分から勉強する原動力になる。
さすがは東大生。大きな目標だけでなく、毎日こなすべき小さな目標も、壁に張り出すなどの「見える化」を行っている。さらに「その日にやった勉強時間をメモして視覚化した」など、目標に対する努力実績も見えるように工夫し、「目標を達成したらゲームで遊ぶ」など、自分へのご褒美も事前に決めてメリハリをつけている。
【亮子ママの解説・分析】
「普通の小学生に大きな目標、遠い目標を持ってと言っても無理なので、今の力で十分にできる小さな目標をつくりましょう。薄い問題集1冊で十分です。30ページなら1日1ページ。毎日続けて1カ月で1冊やり遂げて、子供に達成感を味わわせることを目標にします。小さくてもいいので、やるべきことを数値化、具体化することが大切です。子供はとりかかるのが苦手ですが、やることがはっきりしていれば朝一でも始められます。あと東大生も言っていますが、自分の頑張りを楽しく“見える化”してください。シールを使うというのは意外と有効ですよ」
■勉強に集中する方法その2「子供に合わせて親が管理」
Q:時間管理はどうしていましたか?
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勉強のやるべきことに優先順位をつけていた 55.7%
朝に勉強していた 33.6%
ストップウオッチやタイマーを使っていた 28.9%
———-放っておくと、ずっとゲームかユーチューブ。でも、東大生の半数以上は勉強時間を管理し、さらに「勉強のやるべきことに優先順位をつけていた」と回答。それも、「得意、苦手関係なく重要なものからやっていた」という。
ただし、時間の使い方は様々。「朝、単純な問題でウオーミングアップした」「朝から勉強できるとその日のサイクルがうまくいく」という人もいれば、「朝は苦手なのでニュースを見る時間にしていた」という人も。アプリのスケジュール帳やストップウオッチ、タイマーを上手に使っている人も多かった。
【亮子ママの解説・分析】
「東大生は自分のことをよく知っていて、自分に合わせた時間の使い方ができますが、なかなかできることではありません。集中できない子なら、そのありのままを受け入れて、その上でできることをやらせましょう。小学生のうちは、親のサポートは不可欠。簡単な計算問題を10分ずつ小分けにしてやらせるとか、寝る前に勉強の準備をして、起きたらすぐにやれるようにするとか、親が工夫し導いてやってください。休憩時間を設定するなど、タイマーはわが家でも活用していました」
■勉強に集中する方法その3「安心感が大切! 」
Q:勉強していた場所について教えてください。
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リビング(ダイニングを含む)で勉強していた 41.7%
地図や地球儀が近くにあった 30.6%
勉強場所は特に決めずに、そのときの気分で変えていた 22.6%
———-よく言われることだが、東大生の多くが自分の部屋の机では勉強していない。今回のアンケートでも「リビング(ダイニングを含む)で勉強していた」「勉強場所は特に決めずに、そのときの気分で変えていた」という回答が多数派を占めた。人の目があるとさぼらない、誰かがいると安心する、というのが理由のようだ。
ただし、「スマホはそばに置かない」「ゲームなどの娯楽が視界に入らないようにした」「さぼらないよう、人の目のあるところで勉強していた」など、誘惑に負けない環境に身を置く工夫をしている。一方で、国語辞典や地球儀など、勉強に役立つグッズは身近に置いていたようだ。
【亮子ママの解説・分析】
「そもそも勉強って孤独な作業なんです。ノートの中は常に孤独。ですから、周辺の環境は孤独にしてはいけません。いつも周りに家族がいる環境で勉強させてやりましょう。アンケートにも『親が近くにいたから勉強できた。褒め言葉や励まし、安心感がある』という回答がありましたが、まさしくコレ。ただし、音楽やテレビは消す、パソコンのマウスやキーボードの操作音はうるさいので配慮してやってください」
■勉強に集中する方法その4「『勉強しなさい』はNG! 」
Q:あなたの親は何をしてくれましたか?
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「勉強しなさい」と言われたことがない 83.4%
学校や友達の話などをよく聞いてくれた 46.8%
親は叱るより褒めるタイプだ 28.9%
———-安心して勉強できる、集中できるかどうかは、親子の関係が安定していることが大事。
アンケートでは、「話をよく聞いてくれた」「叱るより褒めるタイプだ」など、子供を伸ばす理想的な親が多いが、驚きなのは、8割以上が「『勉強しなさい』と言われたことがない」と答えている点。「勉強に口を出さずに放っておいてくれた。人に言われるとやる気がなくなるので良かった」など、自由にさせてくれたことに感謝する回答が多かった。
【亮子ママの解説・分析】
「これが東大生の親のすごいところなんです。『勉強しなさい』とは言いませんが、実際は『8時になったら漢字を30個書こうか』みたいな言い方で子供を誘導しているんです。決して放任ではないし、勉強しなくていいよ、というわけではありません。声かけが上手で、うまくコントロールしているんですね。小学生時代にすべきいちばん大事なことは、親子の信頼関係をしっかりつくること。実際、アンケートには体調管理や食事、塾への送り迎えなど、親に対する感謝のコメントがたくさん見られますが、こういう関係をつくることが大事です。親子で遊ぶ時間もつくりましょう」
■勉強に集中する方法その5「やる気は待っても出てきません! 」
Q:どんな気分転換をしていましたか?
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定期的に体を動かすなど運動をしていた 44.7%
飲み物やおやつをとった 44.3%
家族と話をしていた 40.4%
———-集中するためには、上手に気分転換することも大事だ。「勉強する気にならないとき、どうしていましたか? 」という問いに対し、「寝た」という回答が多かった。また、「諦めてやる気が出るまで待つ」「危機感が芽生えるまで待った」という“流れに任せる派”と、「無理やりでもやっていると、やる気があとからついてくる」という“とりあえず机に向かう派”が伯仲。なかには「自分は何のために勉強しているのか、どういう人間になりたいのかなど、将来のことを考えた」というさすが東大生といった回答も。ゲームや漫画など好きなことで気分転換する場合も、「時間を決めてしっかり遊ぶことでメリハリをつけた」など、何のための息抜きかを知っているところがさすがである。
【亮子ママの解説・分析】
「体をつくる小学生時代には睡眠は特に大事です。眠いときは寝かせてやりましょう。ただし、『やる気が出るまで待つ』をまねするのはNG。普通、小学生のやる気は待っていても出てきません。遊びと勉強のメリハリのつけ方がポイントです。わが家では、『遊ぶときは思いっきり』を合言葉にしていました」
アンケートについて:2020年6月に、東大家庭教師友の会を運営する「トモノカイ」、地方からの東大受験生を応援するサークル「FairWind」の協力を得て、現役の東京大学の学生、大学院生にWEBアンケートを実施。有効回答数は235。
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佐藤 亮子
主婦
長男・次男・三男が灘中・高等学校から東京大学医学部へ。長女も東大理?に合格して、3男1女全員が東大医学部へ。現在は、テレビ出演や講演活動などに引っ張りだこのカリスマママとして活躍中。『私は6歳までに子どもをこう育てました』『受験は母親が9割』ほか著書多数。
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