パワーポイントは、作成する側、受け取る側、利用の仕方を工夫して役割分担を
うまくすれば、とても役立つツールだと思います。
ただ、今では、パワーポントの乱用(?)があるので、その警告というか、考える
意味では、なるほど、とは思いました。
パワーポイントの資料だけをたくさん受け取るとしたら、それは、単に紙の束が
机に溜まっていくだけで苦痛かもしれないですね。
パワーポイントは、主役ではなく、補助的な手段、助っ人ということで私は使っ
ています。
あと、箇条書きだけでなく、動画や写真をうまく挿入して、パワーポイントだけ
で完結する作り方もありますので、要は、パワーポイントの使い方、ということ
だと思います。
9月に出版された『amazonのすごい会議―ジェフ・ベゾスが生んだマネジメントの技法』(東洋経済新報社)の著者、佐藤将之氏は、アマゾンジャパンの立ち上げメンバーとして2000年7月に入社。サプライチェーン、書籍仕入れ部門を経て2005年よりオペレーション部門で、2016年に同社を退職するまでディレクターとして国内最大級の物流ネットワークの発展に寄与した。
世界トップの企業、アマゾンの成長を支える原動力である「会議の技法」とは、どのようなものなのか。
同書の一部より抜粋し、会議の効率化を図るためにジェフ・ベゾスが設けた「アマゾン流、資料作成のルール」を紹介する。
アマゾンの会議で箇条書き資料はNG
よくある会議資料として見受けられるのが、「パワーポイント」に「箇条書き」で要点を書き込んだものです。それをプロジェクターで映しながら説明を加えるというプレゼンは、説明する側も資料作成が簡便で、聞く側もよく整理された内容を聞けるということで、非常に多くの企業や団体で行われていると思います。
しかしアマゾンでは、「パワーポイント」や「箇条書き」の会議資料を見ることはほとんどありません。なぜならアマゾンでは、会議の資料は「文章(ナレーティブ)形式で書く」というルールがあるからです。通常「ワード」で作成されることが多く、印刷され会議時に配布されます。あの最先端デジタル企業で、文章形式の資料が多用されているというのは、少し意外な話かもしれません。
しかもこの資料は通常、会議前もしくは会議時に配布されるのですが、参加者は必ずしも前もって読み込んでくることは期待されていません。なぜならば「その場で読んですぐに理解できる文章を書く」ことが資料作成の必須条件となっているからです。
「誰でも」「いつでも」「正しくわかる」資料
なぜアマゾンでは箇条書きやパワーポイントが禁止されているのでしょうか。それは箇条書きだと、行間を読むことで、人によって解釈の違いが生じやすいからです。
また発表者も行間に様々な思いや考察を埋め込んで説明することが多いので、後日それらを思い出そうとしても非常に難しいからです。皆さんも、先週行われた会議の内容を事細かに思い出すことはできないと思います。それが、箇条書きのパワーポイント資料だとより顕著に表れてしまうということです。
小さなズレが大きなズレに
たとえばパワーポイントのプレゼン資料に「最高のカスタマー・エクスペリエンスを提供します」と書いておいて、そのために具体的に何をやるのかは、プレゼンの当日に口頭で説明するとします。
そうした場合、会議の出席者には詳細がその場で伝わるかもしれませんが、後日その資料を見直したときや、その会議に参加していない他者がその資料を見たときにはどうでしょう。「たしか、こういう話だっただろう」とか「こんなことをするって話だよね」と勝手に解釈してしまい、資料に書かれた真意がうまく伝わらない可能性があります。
そしてこうした誤解は、当初は小さなブレでも、時間が経つにつれ大きな解釈のブレになりかねません。その結果、最終的なアウトプットが大きくずれてしまい、本来の目的が達成できないという結果になってしまうことも考えられます。
小さな組織で、日頃から顔を合わせて、職場の状況や互いの考え方がわかっていれば、そういう問題は起こりにくいのでしょう。でも組織が大きくなるにつれて、互いの状況が見えにくくなると、そう頻繁に確認もできません。
アマゾンも小さな組織だったときには、お互いの意思疎通についてそれほど気にすることはなかったと思います。会議資料をパワーポイントで作成し、箇条書きもよく使われていました。しかし、グローバル企業として成長していく中で、従業員や関係者の人数が膨大になって組織内での意思疎通が容易ではなくなり、その弊害が看過できなくなったのです。
そこで、ベゾスが2006年頃に設定したのが、「会議の資料は箇条書き禁止。ナレーティブを用いる」、つまり文章で書くというルールです。
ベゾスは、おそらく週に何十件という報告を受ける身です。なので人一倍、箇条書きの問題点に頭を悩ませていたのでしょう。
パワポの資料は会議の効率性を落とす伝達内容のズレ以外にも、パワーポイントの箇条書き資料には問題があります。
文章の資料を何枚も書くのは骨の折れる作業ですが、パワーポイントで箇条書きの資料は、比較的容易にすぐ作れます。枚数を気にせず思いついたことをスライドに列挙していき、会議当日は適当に飛ばしながら口頭で説明することも可能です。いわば「やっつけ仕事」での資料作成が可能なのです。
小さなズレが大きなズレに
たとえばパワーポイントのプレゼン資料に「最高のカスタマー・エクスペリエンスを提供します」と書いておいて、そのために具体的に何をやるのかは、プレゼンの当日に口頭で説明するとします。
そうした場合、会議の出席者には詳細がその場で伝わるかもしれませんが、後日その資料を見直したときや、その会議に参加していない他者がその資料を見たときにはどうでしょう。「たしか、こういう話だっただろう」とか「こんなことをするって話だよね」と勝手に解釈してしまい、資料に書かれた真意がうまく伝わらない可能性があります。
そしてこうした誤解は、当初は小さなブレでも、時間が経つにつれ大きな解釈のブレになりかねません。その結果、最終的なアウトプットが大きくずれてしまい、本来の目的が達成できないという結果になってしまうことも考えられます。
小さな組織で、日頃から顔を合わせて、職場の状況や互いの考え方がわかっていれば、そういう問題は起こりにくいのでしょう。でも組織が大きくなるにつれて、互いの状況が見えにくくなると、そう頻繁に確認もできません。
アマゾンも小さな組織だったときには、お互いの意思疎通についてそれほど気にすることはなかったと思います。会議資料をパワーポイントで作成し、箇条書きもよく使われていました。しかし、グローバル企業として成長していく中で、従業員や関係者の人数が膨大になって組織内での意思疎通が容易ではなくなり、その弊害が看過できなくなったのです。
そこで、ベゾスが2006年頃に設定したのが、「会議の資料は箇条書き禁止。ナレーティブを用いる」、つまり文章で書くというルールです。
ベゾスは、おそらく週に何十件という報告を受ける身です。なので人一倍、箇条書きの問題点に頭を悩ませていたのでしょう。
パワポの資料は会議の効率性を落とす伝達内容のズレ以外にも、パワーポイントの箇条書き資料には問題があります。
文章の資料を何枚も書くのは骨の折れる作業ですが、パワーポイントで箇条書きの資料は、比較的容易にすぐ作れます。枚数を気にせず思いついたことをスライドに列挙していき、会議当日は適当に飛ばしながら口頭で説明することも可能です。いわば「やっつけ仕事」での資料作成が可能なのです。
キレイなだけの資料は要らない
しかしきちんとした文章にするとなると、読んだときに辻褄が合わない部分が出て来ないように、最初から整合性をとらなくてはなりません。そのため、吟味に吟味を重ね、適切な情報を用いて推敲を重ねなければなりません。
エッセンスだけを凝縮して、それを文章にまとめようとすると、必然的に何回も書き直しをしなくてはならなくなります。おそらくベゾスは、そのようにじっくり検討して推敲するプロセスも期待して、この会議の資料作りのルールを考えたのだと思います。
資料で大切なのは見栄えよりも中身
また、パワーポイントの資料では見栄えを良くしようと、アニメーションを使ってひと手間かけたりすることが多いと思います。ただの箇条書きでも1行1行表示させることでインパクトを出したり、たくさんのアニメーションを多用して観る者の興味を引き付けることができます。
しかし、そもそもムダが大嫌いなベゾスは、そのようなアニメーションの作成に時間をかけることも無駄な作業だと感じたのかもしれません。
会議の資料作りにおける「パワーポイント禁止」のルールは、見てくれだけキレイな内容のない資料は要らないという、ベゾスの考えの現われでもあるでしょう。
Forbes JAPAN 編集部