今日のキーワードは「無停電電源装置(UPS)」です。
日本語では「無停電電源装置」、英語だと「UPS(Uninterruptible Power Supply)」です。
最近、SOHOや中小企業だけでなく、身近な個人でもこのUPSの導入が増えてきたように思います。
一番の理由は、製品がお手頃価格に下がったからではないか、と思います。
今回は、「無停電電源装置(UPS)」、名前はよく聞きますが、意外と理解できていない「UPS」の上達マニュアルです。
まず、無停電電源装置(UPS)の必要性について考えてみます。
これは、UPSがなかったらどうなるか、の具体例をご紹介するとイメージがつかみやすいと思います。
具体例その1
パソコンで作業中に突然停電になって、建物中の電源が落ちた。
電源復旧後、パソコンの電源を入れたら、バードディスクが壊れてしまっていて、起動しなくなってしまった(パソコンが壊れる事例)。
具体例その2
誰かが足を引っ掛けてパソコンのコンセントが抜けてしまった。
その瞬間にパソコンの電源が落ちて、作業中のデータが全部消えてしまった(データ消失の事例)。
具体例その3
マンションの1階にコンビニがあって、2階の仕事場の電力の供給が不安定。
パソコンのメンテナンスをしてもパソコンの調子がよくならない(パソコン不調の事例)。
具体例その4
突然の雷雨でドカーンと大きなカミナリが落ちた。
過電圧が津波のように襲いかかり、パソコンが壊れた(パソコンが壊れる事例)。
無停電電源装置(UPS)を導入すると、停電、人為的ミス、環境、自然災害(雷)などから、パソコンやデータを保護することができます。
ですから、UPSはなくてはならない存在なんです。
無停電電源装置(UPS)の仕組み・役割
UPSには、バッテリーが入っていて電力を安定供給します。
そこで、上記の具体例からUPSには2つの役割があります。
一つは「停電時に機器を安全にシャットダウンする時間を稼ぐこと」
UPSによって電力が供給されている間に、使用しているファイルを閉じ、パソコンなどの機器を安全にシャットダウンできます。
UPSは、ノートパソコンのバッテリーと似た役割をします。
しかし、ノートパソコンのバッテリーは数時間持つのに対して、UPSは5分~10分しかもちません(つなぐ機器により異なりますが)。
5~10分程度持たせるだけなので、コスト的にも低価格になるわけです。
二つは「カミナリから機器を守ること」です。
ピカッ、ゴロゴロ、ドカーンと雷が近くで落ちて、停電になった経験はありませんか?
また、中には、雷で過電圧になって、パソコンが壊れた人もいます。
壁などのコンセントとパソコンなどの機器の間にUPSを介在させることで、雷の際の過電圧をUPSがブロックしてくれます。
無停電電源装置(UPS)の選び方
価格比較サイトの売れ筋ランキングの上位機種を見ると、メーカーはAPCとオムロンの製品が紹介されています。
私自身は、2018年10月現在では、
APCのBR550S-JP [Black]と
オムロンのBW55T
のいずれかを迷いつつも選んで紹介しています。
なぜ、1つの製品に特定しないのか、というと、個人的な観点から一長一短があるからです。
APCのBR550S-JPの短所
・購入後、コンセントにつなぐだけでは使えないんです。
最近ではわかりやすく目立つ位置に注意書きが書いてありますが、一度、バッテリーの蓋を開けて、プラグをさす必要があります。
この作業の手間が初心者には、敷居が高くて、そもそも、この作業をすることを知らないで使用を始めてしまうことがあり、この点がAPCのBR550S-JPを初心者に薦める際に躊躇する点です。
オムロンのBW55Tの長所
・この点、オムロンのBW55Tは、購入してきてコンセントをつなげば、そのまますぐに使えますのでは、導入が初心者にとても簡単です。
それが、オムロンのBW55Tの方を選択する理由です。
オムロンのBW55Tの短所
自動シャットダウンソフトの使い方が、初心者には難しいと感じた点です。
丁寧で親切なのですが、ソフトに2種類あり、どちらを選択していいか迷ったり、場合によって、ドライバを探してインストールしないといけない場合があります。
その意味で、少し敷居が高い気がします。
APCのBR550S-JPの長所
それに対して、APCのBR550S-JPは、自動シャットダウン機能は同梱されているCDでスムースにソフトをインストールできます。
無停電電源装置(UPS)購入の際のもう一つのポイント
UPSを購入する場合には関係ありませんが、UPSのバッテリーは3年~5年で交換しないといけません。
交換時期になると、ピーピーと音が鳴って知らせてくれます。
選択肢としては、
交換バッテリーを購入して、バッテリーのみ交換する
最新の機種に買い換える
いずれにしても、問題になるのは、古いバッテリーや古いUPSの処分です。
この点については、例えば、APCでは、UPS買い換えプログラムという制度があって、引き取りサービスを行っています。
しかも、製品ユーザー保証登録すると、送料も無料になります。
http://www.apc.co.jp/tradeups/
http://www.apc.co.jp/tradeups/leaflet.pdf
「無停電電源装置(UPS)」の購入の際の注意
私は、パソコンの周辺機器は、量販店で現物を確認して調べてから通販で購入することが多いです。
その際に利用する頻度が多いのは、AMAZONとヨドバシドックコムです。
製品によっては、それほど違いはなくて、ヨドバシドットコムで購入した場合のポイントを差し引けば、価格にそれほどの大差がないことが多いです。
ところが、「無停電電源装置(UPS)」については、ヨドバシドットコムを始め量販店の価格と、通販サイトの最安値の価格が大きく異なります。
2018年10月24日現在のAPCのBR550S-JPだと
AMAZON・・・・・15,980円
ヨドバシ・・・・24,710円
この差は大きいですよね。
その理由を考えてみたら、まさになるほど、という事例が昨日ありました。
ある得意先の社長から電話がありました。
社長・・・「机の下にある装置が、ピーピーなるようになったんだけど大丈夫?」
私・・・「それは、停電や雷の際にパソコンやデータを守る装置のバッテリーの交換をしてくださいという警告サインです」と伝えました。
社長・・・「そんなに大事なものなら、すぐに交換して下さい」とのこと。
私・・・・「ヨドバシと通販では、価格差が大きいので、通販で手配して、届き次第交換作業で訪問させてもらいます」
で、上記の価格の違いを説明しました。
ところが、社長曰く
「ちょっと高くてもいいから、すぐに交換して欲しいんだけど・・・・」
そこで、急いでヨドバシドットコムにて店舗受取で製品を確保して、その日のうちに交換作業をしてきました。
つまり、この機種は人気があり、しかも、緊急性・必要性が高いので、多少高くても、通販ではなく、ショップの方で売れるからではないかと思います。
価格の点もそうですが、品薄なことがありますので、購入のスケジュールは注意が必要です。