「今日の下着で救急車に乗れるか?」
たとえば、拙著『28文字の片づけ』の帯に採用したこの言葉1つを頭の中に思い浮かべるだけで、どんなハウツーよりも下着の断捨離が進み、ごちゃついた引き出しの中は片づいた。これは他の人でも起こりえるかもしれない。
■「気づき」こそが片づけの原動力、促進剤になる
インスタグラム上でこれを公開すると、反響は予想以上に大きかった。「心にグサグサ刺さる」「言葉を見てハッとした」などのコメントとともに、「下着を一新できた」「ずっと捨てられなかったものが処分できた」などと、たった1行の言葉を読むことが大きな行動を引き出していた。「片づけ」とはすべての人が毎日、何気なくしている日常的な行為にすぎないのだが、そこにあるモヤモヤした潜在的な悩みや不満への「気づき」こそが、本気の片づけの原動力になり、促進剤となるのだ。
“知り合いに会いたくない服は着ない。持たない。”
これはインスタグラムで過去最高に反響があった言葉だ。1万4000近くの「いいね!」がつき、その半数以上で保存されている。そのほかのコメントや反響の高さからも、クローゼットに関するものが圧倒的で、皆それぞれに「捨てたいのに捨てられない」という葛藤を抱えていることが伝わってくる。その理由の大部分は、「もったいない」と「めんどくさい」だろう。日本語にしかないという「MOTTAINAI(もったいない)」精神が、多くの人の「断捨離」や「片づけ」の前に堂々と立ちはだかっているのは間違いない。“片づけたい人、手放したい何かがある人、そして変わりたい人にとって、捨てたいものは捨てていい。なくてもいいものはないほうがいい。”
「読むだけで捨てられる」現象が起きている最大の理由は、そこにある「共感」だ。ハウツー本にありがちな、片づいた部屋や整った収納への「憧れ」「理想」「テクニック」ではなく、読者自身もそう感じたことがあり、言葉の真意がわかることで、人はようやく手放せる。物差しにすべきなのは「誰か」のやり方や量ではなく、「自分なり」の心地よさであり、「そこ」に合った暮らしやすさである。そして、「片づけたい」は「変わりたい」である。■なりたい自分は小さな選択の積み重ねの先にしかない
“使わないペン1本を減らしたところで、その瞬間から劇的に暮らしが良くなることはないけれど、その使わないペン1本さえも減らせない人とその暮らしは、一生変わらない。理想のくらしや、なりたい自分は、そんな小さな選択を積み重ねた、その先にしかないのです。”
そんな小さな選択で減らしたもの1つ1つは、きっと数日後には手放したことさえ忘れているだろう。しかし、ふと手放したことを思い返せば、以前と変わらない不自由のなさに気づき、なぜいままで持ち続けていたのだろう、とさえ思う。不自由どころか心地よさまで感じさせる。その減らす、手放すという小さな経験が、片づけのきっかけとなり、継続するための力になっていく。言葉への「共感」と、行動した先にある「実感」は、理想ではなく、自分に中に沸き起こる感情であるからこそ、“文字での片づけ”は地に足のついたものとなり、広がり、加速していくのだと思っている。
“片づけたい人、手放したい何かがある人、そして変わりたい人にとって、捨てたいものは捨てていい。なくてもいいものはないほうがいい。”
「読むだけで捨てられる」現象が起きている最大の理由は、そこにある「共感」だ。ハウツー本にありがちな、片づいた部屋や整った収納への「憧れ」「理想」「テクニック」ではなく、読者自身もそう感じたことがあり、言葉の真意がわかることで、人はようやく手放せる。物差しにすべきなのは「誰か」のやり方や量ではなく、「自分なり」の心地よさであり、「そこ」に合った暮らしやすさである。そして、「片づけたい」は「変わりたい」である。■なりたい自分は小さな選択の積み重ねの先にしかない
“使わないペン1本を減らしたところで、その瞬間から劇的に暮らしが良くなることはないけれど、その使わないペン1本さえも減らせない人とその暮らしは、一生変わらない。理想のくらしや、なりたい自分は、そんな小さな選択を積み重ねた、その先にしかないのです。”
そんな小さな選択で減らしたもの1つ1つは、きっと数日後には手放したことさえ忘れているだろう。しかし、ふと手放したことを思い返せば、以前と変わらない不自由のなさに気づき、なぜいままで持ち続けていたのだろう、とさえ思う。不自由どころか心地よさまで感じさせる。その減らす、手放すという小さな経験が、片づけのきっかけとなり、継続するための力になっていく。
家を片付けられない人が目を覚ます強烈な言葉
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