辛さんは熱心な仏教の信者でもある。そこから、人を責めずに許す姿勢を学んだ
ともいう。「憎しみは何も生みません。愛情と寛容の気持ちこそ必要なのです」
李盛大さんが亡くなった直後、辛さんは韓国大手紙のインタビューを受けた。そのとき、釜山の日本総領事館前で起きた事件について、堂々と日本総領事を気遣ってみせた。「3人以上集まる公の席で、日本を支持したり、評価したりする発言はタブー」とされる韓国では異例の発言だ。辛さんは、釜山の地に眠る李盛大さんと李秀賢さんのお墓の前で「どんな形であれ、韓日の架け橋であり続けることが、残された私の宿題なのです」と語ったこともある。
辛さんは「日帝時代は政治的には過ちでしたが、朝鮮半島の経済に貢献した点は否定できません。色々な人と会って、多様な考えに触れることが大事です」とも語っていた。ソウルの日本大使館前や釜山の日本総領事館前などで行われる日本を批判する集会では、決して聞くことのできない言葉だろう。
私はこうした言葉を紹介した記事を22日付の朝日新聞で紹介したところ、韓国の大手紙が同じ日に引用・転電した。「韓国政府も日本企業が元徴用工らに損害賠償する事態を防ぐべきだ」という言葉も伝えてくれたが、私の記事とは全く異なる趣旨の記事になった。
私が書いた記事のタイトルは、「触れ合えば、互いの心わかるはず 辛潤賛さん」だったが、韓国紙は、書き出しを「辛潤賛さんが強制徴用と慰安婦問題に対する誠意のある謝罪を日本政府に求めた」とした。タイトルは、〈「義人」故李秀賢さんの母親「日本は真摯な気持ちで謝り、韓国は徴用賠償を防いでほしい」〉となった。
「韓国メディアは過去、何度もお母さん(辛さん)を反日に利用しようしようとしてきた」
何でも政治利用やお金稼ぎに利用する国の報道。 元の中央日報の記事を読ん
だ時は、何を言っているのか意味不明でしたが、この記事で理解できました。や
はりこの国の報道には、真偽は逆の法則があるのですね。