7月23日、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性を殺害したとして、宮城県と東京都の医師2人が嘱託殺人の疑いで逮捕された。
【画像】加害医師らの共著「扱いに困った高齢者を『枯らす』技術」
「嘱託殺人が行われたのは昨年冬頃。被害者女性が約100万円で医師2人に殺害を依頼し、医師は多量の睡眠薬を投与し殺害しました」(捜査関係者)
被害者は京都に住む51歳女性で、ALSは全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病。逮捕された医師は仙台市の大久保愉一(42)と港区の山本直樹(43)の2人だ。女性は生前、「安楽死させてほしい」と周囲に話しており、大久保と山本の医師2人が女性の自宅を訪問し殺害に至ったとみられる。女性は搬送先の病院で亡くなったが、体内からは普段服用していない薬物が見つかったという。
大久保愉一容疑者は北海道出身で2003年に東北にある国立大学医学部を卒業。東北の複数の病院に勤めた後、2018年に仙台でクリニックを開院。クリニックでは主にメンタルケアや緩和ケアに力をいれ、ホスピスの運営も手掛けている。
大久保容疑者の電子書籍「扱いに困った高齢者を『枯らす』技術」大久保容疑者は、自身が経営するクリニックのブログで、自身の治療方針についてこう語っている。
《私は、治療を頑張りたいという方はサポートしますし、「もうそろそろ、いいかな」という方には、撤退戦をサポートする そんな医者でありたいと思っています》(ブログ投稿より)
また、大久保容疑者はペンネームを用いて電子書籍やマンガ原作も執筆している。そのひとつが「扱いに困った高齢者を『枯らす』技術 ー誰も教えなかった、病院での枯らし方ー」という電子書籍。共犯の山本容疑者は実名で共著者として名前を連ねている。
《認知症で家族を長年泣かせてきた老人、ギャンブルで借金を重ねて妻や子供を不幸に陥れた老人。そんな「今すぐ死んでほしい」といわれる老人を、証拠を残さず、共犯者もいらず、スコップや大掛かりな設備もなしに消せる方法がある。医療に紛れて人を死なせることだ。
病室に普通にあるものを使えば、急変とか病気の自然経過に見せかけて患者を死なせることができてしまう。違和感のない病死を演出できれば警察の出る幕はないし、臨場した検視官ですら犯罪かどうかを見抜けないこともある。荼毘に付されれば完全犯罪だ。》(同書の説明文)
大久保容疑者は電子マンガ「お看取りマンガ〜『延命処置どうしますか?』と医者に聞かれる前に読む本」も出版している。前述の府警関係者が語る。
「『お看取りマンガ』は主人公の医師が患者家族に対し、どんな延命治療方法があるのかを説明する約30ページほどの漫画です。このほかにも大久保容疑者は、尊厳死や延命治療の是非をテーマにした電子書籍を刊行したり、ブログを書いていたりしていたようです。また、Twitterへも同様の投稿をしている」
《やっぱりオレはドクターキリコになりたい》大久保容疑者とみられるTwitterアカウントのフォロワーは約1万5000人。投稿では頻繁に「ドクターキリコ」について触れていた。ドクターキリコとは手塚治虫の漫画「ブラックジャック」に登場する、“死神の化身”の異名を持つ銀髪の医師だ。作中で、ドクター・キリコは死に直面した患者を、法律に触れない方法で安楽死させていく。
《やっぱりオレはドクターキリコになりたい。というか世の中のニーズってそっちなんじゃないのかなあ》(2013年4月10日)
《刑法の本とかをかじったが、自殺幇助がなんで罪になるのかがよくわからん》(2013年12月30日)
《俺がもし開業するなら、ドクターキリコしかないなといつも思う。自殺幇助になるかもしれんが、立件されないだけのムダな知恵はある》(2014年1月17日 Twitterより)
逮捕前日の意味深なツイート大久保容疑者は逮捕される当日にも意味深なTwitterを更新している。
《塀のなかで受験勉強でもして東大生になればリセットされるかなあ》(2020年7月23日)
京都府警では逮捕した2人の医師を取り調べている。
ALS女性は「建築士のキャリアウーマン」加害医師にTwitterで“安楽死依頼”【嘱託殺人容疑で医師2人を逮捕】 へ続く
「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班)
昔からの難問でいくら考えても、答えが出ない・・・・
ただ、今回の記事の内容には、違和感がある・・・