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【リオデジャネイロ=淵上隆悠】南米エクアドルの世界自然遺産ガラパゴス諸島沖合で、約260隻の中国漁船団の操業が確認されている。エクアドル政府は、乱獲による生態系への影響を懸念して中国側に自制を求めているが、中国政府は「公海上で合法的だ」として応じていない。
漁船団は今月16日、エクアドル海軍によって確認された。本土とガラパゴス諸島それぞれの沿岸から200カイリ(約370キロ)の排他的経済水域(EEZ)にはさまれた公海上で操業し、フカヒレ目的でサメ漁を行っているとみられる。海軍は、漁船団がEEZ内に進入して漁を行わないか、常時監視に当たっている。
レニン・モレノ大統領は25日の演説で、「海域は豊かな漁場であると同時に、地球にとって生命の宝庫でもある」と述べた。海洋資源の保全という観点から、中国政府に乱獲しないようにクギを刺した形だ。チリやペルーなど、太平洋に面する周辺諸国と対応を協議する考えも示した。
エクアドル政府が厳しい姿勢で臨むのは、中国漁船に「前科」があるためだ。
地元紙エル・コメルシオ(電子版)などによると、エクアドル当局は2017年8月、ガラパゴス諸島東端のサンクリストバル島の東約64キロ沖の海洋保護区内で違法操業していた中国船を拿捕(だほ)した。船内からは、絶滅が危惧されているシュモクザメを含むサメ約6600匹が見つかった。15年にも、中国人が乗った漁船からサメのヒレ約20万枚が押収されている。
一方、在エクアドル中国大使館は、エクアドル政府の対応に不満をあらわにしている。23日には、ホームページ上に声明を掲載し、「中国漁船の操業はEEZ外の公海で合法的に行われており、誰の脅威にもなっていない」と主張した。