友人が見せてくれた1枚の家族写真
友人が、初孫ができて、息子夫婦と一緒に撮ったという記念写真を見せてもらいました。
幸せそうな2枚の記念写真、ところが、友人夫婦の少し寂しそうな顔。
何かあったの?と私は尋ねました。
本当は、記念写真は、友人夫婦と息子夫婦と孫の5人で撮るはずだったのが、息子さんの奥さんの一言で、息子夫婦と孫だけの3人の写真も撮ったんだそうです。
そこまでは、よかったね、という話しなのですが、その時の息子さんの奥さんの一言にひっかかった、というのです。
「せっかくの家族写真なんだから、3人で撮りましょう」
寂しそうに私に見せてくれたのは、その家族写真でした。
いったい、何が問題なのか、と意味がわからない人もいるかもしれませんね。
でも私には、すぐに理解できて、気にしない方がいいよ、と言って帰ってきました。
私の机に飾ってある家族写真とお葬式のときの父の遺影
家に戻って、さきほどの友人の会話を思い出し、自分の机に飾ってある我が家の家族写真と父の遺影を見ながら、その写真を撮った当時のことを思い出しました。
娘が1歳の誕生日、記念写真を結婚式をあげたホテルの写真館で撮ることになりました。
そのときの私のカミさんの一言。
「せっかくの家族写真なんだから、お父さんとお母さんにも来てもらって、一緒に撮りましょう」
当時、私は深く考えもせず、両親に日程を伝え、両親を含めた家族写真を撮りました。
そして、その数年後、父が亡くなり、遺影で使ういい写真を捜しているときのことです。
もしかして、正装していた家族写真の父の顔を使えないか、と思いつき、家族写真の父の顔を拡大してみました。
すると、それまでは見過ごしていましたが、父は、本当に嬉しくて幸せそうな表情をしていることに気づきました。
そうか、オヤジは、あの日、家族写真に参加できたのが、本当に嬉しかったんだ、と胸が熱くなりました。
そして、そのとき改めて、「せっかくの家族写真なんだから」と両親を呼んで、記念写真に参加させてくれたカミさんに感謝しました。
皆さんの家族写真には、誰が一緒に写っていますか?
友人に見せてもらった、親子3人の写真も、友人夫婦が一緒に写っている5人の写真も、どちらも家族写真で幸せそうな様子が伝わってきます。
ただ、5人の写真の方が、なんか、ほっとできて、家族っていいなぁ、という感じでした。
今日、娘と二人で買い物にでかけましたが、帰りにカミさんの大好物のお土産を買ったのは、カミさんの 「せっかくの家族写真なんだから」の一言、私の両親も家族の一員と言ってくれたあのときの言葉が嬉しくて、今でもずっと忘れられないからです。
イラスト:「いらすとや」さん https://www.irasutoya.com